院長のひとりごと
前回のブログでメンテナンスの重要性について加筆しますと書きましたが、気になる報道がありましたのでちょっとコメントさせてください。
愛知県においてS歯科医院でインプラントの使いまわしを行っている という情報の告発が兵庫県歯医師会からありました。この記事を見た時は「うそだろ」という気持ちを持ちましたが記事を読むにつれてがっかりしてしまいました。今まで約30年くらい私の先輩や微力ながら私も細心の注意を払って
インプラントという治療術式がやっと日本に根ずいてきたなと感じを持ったのは比較的最近の事です。
そもそもチタン製のインプラントを人間の体に埋入する時は患者の顔、口腔内の可能な限りの消毒、そして滅菌されたオペ室で滅菌された使い捨ての着衣で使い捨て、あるいは滅菌された機材を用いて手術を行います。又、インプラント体は滅菌と脱たんぱくされたケースの中に同様の処理をされており、チタン製のキャリア(インプラント体を運ぶ物)を用いて骨内に埋入されます。
ようするに滅菌されたチタン以外のものに触れてはいけないのです。この様な細心の注意をして行った手術で、15年で95パーセントの成功率が得られるのです。
今回の様な報道が事実であるならば歯科医とインプラントの信頼に影響が必ずやあるでしょう。
30年間の地道な努力と我慢は何だったんだという気持ちになります。日本口腔インプラント学会の評議委員の一人として責任も感じます。 日本全体で約10万人いる歯科医の自覚を求めます。歯科医師会の告発という事で自浄作用があったのが少しの救いですかね。ちなみに彼は学会員ではありませんでした。