歯周病と誤嚥(ごえん)性肺炎
65歳以上の高齢者の死因は
1位 悪性新生物(がん)
2位 心疾患
3位 脳血管疾患
4位 肺炎
となっています。
そして肺炎の何割かが誤嚥性によるものと考えられ、それを誤嚥性肺炎といいます。
誤嚥性肺炎とは唾液や歯周病菌などのお口の中の細菌が、誤って気管に入り込むことで起きる肺炎です。高齢者の誤嚥は特に夜間に起こりやすく、誤嚥を起こしても「むせ」などの自覚症状がないことがあります。(不顕性誤嚥)
これを繰り返すことで誤嚥性肺炎を起こします。
また、胃の内容物が嘔吐によって気管に入った場合にも誤嚥性肺炎が起こることがあります。
歯周病菌が原因のひとつと考えられているため、予防するためにお口のケアが重要になります。
① お口の清掃
歯磨きなどでお口の中の細菌を減らし清潔な状態を保ちます。入れ歯を使用している場合には入れ歯もきれいに洗いましょう。
② 機能の回復
しっかりと食べ物を噛み、飲み込むことも大切です。また、誤嚥しやすいものは調理を工夫して形状や性状を変えてみるのも良いでしょう。
お口のなかだけでなく全身的な健康を保つためにも歯周病の治療や予防をしていくことがとても大切になります。
歯科衛生士 高野友貴