ライフステージに応じたお口の健康管理
お口の中の健康を保っていくために歯みがきが必要なことは、
みなさまもうご存知だと思います。
今回からは各ライフステージにおけるお口の中の健康管理について
お話したいと思います。
1、妊産期
お口の健康作りは赤ちゃんがお腹にいる妊娠期からはじまります。
乳歯だけでなく、なんと永久歯(大人の歯)の一部もお母さんの
お腹の中にいる間に赤ちゃんのお口の中で作られ始めるのです。
そのため、健康で丈夫な歯を作るために妊娠期にはしっかりと
栄養を取っていく必要があるのです。
3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)に加え、カルシウム、
ビタミンA・C・Dやリンをバランスよく摂取していかなければなりません。
また妊娠中はつわりの影響で歯磨きがしにくくなり、
むし歯や歯周病が発症・憎悪することや、ホルモンの影響で
歯周病を起こすことがあります。
歯周病があると早産や低体重児のリスクが高まるので
可能な限り歯磨きを行い、お口の中をきれいに保つようにしましょう。
妊娠中はできるだけ治療(特にレントゲン撮影や抜歯などの出血を伴う処置)
や投薬は避けたほうが良いので、妊娠前より定期健診に通っていくことが
望ましいです。
万が一妊娠中に歯の痛みや違和感、歯ぐきの腫れなどが出た時には
症状が進行する前に早めに歯科医院を受診しましょう。
症状が悪化してからでは投薬などが必要になってしまうことがあります。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはむし歯の菌や、
歯周病菌はいません。
離乳食を与える際にお母さん、お父さんのお口の中の菌が口移しで
移ってしまうのです。
生まれてくる赤ちゃんのためにもお口の中をきれいに保っていきましょう。
2、乳児期(乳歯が生えてくる前)
歯が生えてくる前にも哺乳や離乳の開始によるお口の中のおそうじは
必要となります。
ほっぺたや舌(ベロ)の表面の汚れを大きめのめん棒やガーゼ等で
拭き取るようにしておそうじしていきましょう。
この時には、赤ちゃんを仰向けに寝かせ
(首がすわっていれば頭を保護者のひざの上に乗せて)
ほっぺたやくちびるを片手で引っ張りながら行います。
お口の中をよく観察し、確認しながら行いましょう。
この時期からお口の中に触られることに慣れておくことで、
歯が生えてきたときにスムーズに本格的な歯磨きが行えるようになります。
※参照:広島県歯科医師会HP
最新歯科衛生士教本 口腔保健管理
歯科衛生士 八島貴世