体内菌のバランスを整えて口臭対策
「バクテリアセラピー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？バクテリアセラピーとは、体内菌のバランスを整えることで歯周病や口臭を防ぐ医療技術になります。歯科医療の先進国、スウェーデンで開発された技術で、口内菌の管理を目的とした治療方法です。
まず体内に存在する、善玉菌の一種であるロイテリ菌を口腔内から採取し、培養液で増殖させます。増殖させたロイテリ菌を錠剤やドロップなどの形状にして今度は摂取します。ヨーグルトなどの乳製品を摂取して善玉菌を取り入れることと違うのは、糖分や脂肪分は含まれていない点です。そのため、糖質制限をしている方や妊婦でも問題なく摂取が可能です。さらに、新生児や高齢者まであらゆる年齢層で利用できるメリットもあります。
バクテリアセラピーは口内菌を管理することで、口から侵入するさまざまなウイルス（菌）を体内に取り込む前に口腔内で減少させます。それにより、全身疾患に対する予防が可能です。すでに世界約60か国以上の国と地域で導入され、従来では予想できなかった効果が得られています。
この治療法では、主に5つの効果が得られることが分かっています。1つめは歯周病菌の減少です。6週間で約90％除菌されることが確認されています。口腔内にほとんど歯周病菌が存在しないこととなるので、口臭対策にも効果があるといわれています。
2つめは免疫成分が増量されアレルギー誘因成分が減量するため、免疫の向上を得ることが可能な点です。3つめはアトピー性皮膚炎の発症リスクです。統計によりますと、約4分の1にまでリスクが低減されたという結果が出ています。具体的には、アトピー性皮膚炎の乳児50名に12か月間バクテリアセラピーを実施した結果、湿疹面積が57％縮減する結果となりました。これはアトピー性皮膚炎に悩んでいる多くの方に朗報といえるでしょう。
4つめはピロリ菌の抑制です。ピロリ菌感染性胃潰瘍発症の成人にバクテリアセラピーを実施したところ、30日後には60％の対象者において、ピロリ菌が消滅したことが確認されています。また、バクテリアセラピーと胃酸抑制剤（PPI）を併用すると相乗効果を得られることも判明しています。
5つめは便秘の改善で、バクテリアセラピーを実施した多くの方が、開始後8週目で通便が正常化しています。便秘に悩む女性の方や便秘による肥満の方にうれしい効果です。このように、バクテリアセラピーは新しい予防医学として歯科クリニックで注目されています。
さいたま市でバクテリアセラピーに興味のある方は、ぜひ入江歯科医院にお気軽にご相談ください。当院もバクテリアセラピーには大いに着目しており、取り扱いを開始しています。