虫歯の原因はバイオフィルム
毎日きちんと歯磨きをしているつもりなのに、繰り返し虫歯ができてしまったり、歯周病になってしまう方がいらっしゃいます。そのような場合、口腔内に虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムがあるのかもしれません。バイオフィルムの存在は、まだまだ一般的に認知されていないかと思いますので、詳しく解説していきます。
バイオフィルムは、細菌同士が集まって作られた粘性のある膜のことを指します。この膜が存在することで、内部で虫歯菌や歯周病菌が活発に活動し、口腔内の各症状が悪化しやすくなります。
バイオフィルムが歯の表面に形成されると、そこから離れようとせず、留まって毒素を出し歯茎を傷める原因となるのです。その結果、歯周病や虫歯につながります。バイオフィルムが歯垢の状態のうちはフロスや歯ブラシなどで落とすことができます。しかし細菌がかたまりとなってフィルム状になってしまうと普段の歯磨きや洗口液では取り除くことはできません。バイオフィルムがある歯の上にフッ素を塗っても歯までは届かず、フッ素の効果も期待ができなくなってしまいます。
そんなバイオフィルムを除去するためには、歯科医院で専門器具を使ったクリーニングが必要です。バイオフィルムは歯磨きでは取り除けないうえに、約90日で再び形成されてしまいます。特に、歯ブラシが届きにくい場所には歯石が溜まり、それが放置されることでネバネバとしたバイオフィルムが簡単に作られてしまうのです。
そのため、1~2ヶ月に1回ほどのペースでクリーニングをすることがおすすめです。歯の表面を美しく保つことで、虫歯や歯周病の予防になります。もし、バイオフィルムがご自身の歯に付着していないかが気になる場合は、歯科医院で行う簡単な唾液検査で確認ができます。バイオフィルムの検査と除去を、歯科医院でしっかりと行いましょう。
除去した後は日常的なオーラルケアも大切です。ブラッシングや洗口液を使い、歯垢が溜まらないように丁寧なケアを心がけ、バイオフィルムの形成を予防していきましょう。